2021年、アメリカ・ノースカロライナ州で産声を上げたインディー団体、Deadlock Pro-Wrestling(DPW)。人気ポッドキャスト「Deadlock Podcast」のホスト陣が立ち上げたこの団体は、設立からわずか数年で急成長を遂げ、いまやアメリカ東海岸を代表する存在へと進化を遂げています。
そんなDPWが、再び日本にやってきます。2023年4月には東京・新宿FACEで、日本初上陸となる「DPW x 我闘雲舞: Tokyo Crossover」を開催しました。そして2025年4月24日・25日、今度は団体単独公演として満を持して再来日を果たします。

そもそもDPW(Deadlock Pro-Wrestling)とは?
DPW(デッドロック プロレスリング / Deadlock Pro-Wrestling)は、2021年にアメリカ・ノースカロライナ州で旗揚げされたプロレス団体です。設立者は、プロレス系ポッドキャスト『Deadlock Podcast』のホストを務める3人のコンテンツクリエイター──アンソニー・ダグラス(TonyPizzaGuy)、ジェームズ・ダーネル(CMPuLs3)、ジョン・ブラッド(newLEGACYinc)。
This is Deadlock
byu/Lifeisstranger2 indeadlockpw
彼らはYouTubeやTwitchでプロレスゲーム実況を行ってきた人気クリエイターで、旗揚げ当初から映像制作やSNS活用に長けた「デジタル世代のプロレス団体」として注目さていました。
DPWの大会は、自社ストリーミング「DPW On Demand」やYouTubeなどで配信されており、マッチクオリティと映像演出の両立を実現。王座戦線を軸にしたストーリーテリングにも定評があります。
2022年1月8日に開催された旗揚げ戦『You Already Know』(ノースカロライナ州ローリー)では、ボジャックがアンドリュー・エベレットを破り初代DPW世界王者に輝きました。その他にもコルビー・コリノ vs グリンゴ・ロコ(ハードコアマッチ)、水波綾 vs 優宇、カルビン・タンクマン vs ブレイク・クリスチャンなど国際色豊かなカードが揃いました。
2023年の初来日公演では、我闘雲舞と合同興行として2日間にわたり新木場1stリング、新宿FACEで開催され日本からは我闘雲舞の選手やクリス・ブルックス、高梨将弘、高瀬みゆき、さくらえみ、駿河メイ、バリヤン・アッキらが参戦しました。この2大会には当時DPWタッグ王者だったバイオレンス・イズ・フォーエバーが参戦しました。
なおDPWには日本からKUSHIDA、KENTA、田中将斗、中島翔子なども過去に参戦しています。
DPWタイトル戦線(2025年4月現在)
こちらは、現時点でDPWが管理する各王座のタイトルホルダー一覧です。
DPWナショナル王座:ラブロン・コゾン(LaBron Kozone)
Tiigerbomb x @KozonePro
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「ザ・リング・ウォリアー」の異名を持つラブロン・コゾンは、1992年8月29日生まれのアメリカ人プロレスラーです。身長185cm、体重107kgの堂々たる体格を持ち、ノースカロライナ州グリーンズボロを拠点に活動しています。
2011年にプロレスラーとしてデビューしたコゾンは、ビッグ・ダディ・エドワーズとジェフ・ラッドの指導の下で研鑽を積み、2013年にファイアー・スター・プロレスリング(FSPW)で本格的なキャリアをスタートさせました。
現在、彼はデッドロック・プロレスリング(DPW)のナショナルチャンピオンとして活躍しています。2024年12月8日にノースカロライナ州ダーラムで開催された「DPW 3rd Anniversary」でアダム・プリーストを破り第5代チャンピオンに輝きました。その後もスター・ボーイ・チャーリー、ルーク・ジェイコブス、ケビン・ブラックウッド、キャプリス・コールマンといった強豪を相手に、これまでに4度の防衛に成功しています。
リング外ではファイアー・スター・プロレスリング・アカデミーでトレーナーとして活躍し、50人以上の若手レスラーの育成に携わっています。試合では「ボール・ゲーム」と名付けられた強烈なクロスラインをフィニッシャームーブとして使用し、ローリング・エルボー(別名「スローイング・シェイド」)やシットアウト・ウラナゲなどの多彩な技で観客を魅了しています。
Xのプロフィールには「A Believer, Wrestler, & Teacher. Live for purpose.(信念を持ち、レスラーであり、教師である。目的のために生きる)」と記載されており、彼の人生哲学とプロレスラーとしての姿勢が表現されています。
DPW女子世界王者:ダニ・ルナ(Dani Luna)
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4th DPW Women's World Champion
Dani Luna (@DaniLuna_pro)
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1999年3月2日生まれの英国人女子レスラーDani Luna(ダニ・ルナ)は、コンパクトな体格ながら驚異的なパワーを誇る実力者です。身長163cm、体重63kgというサイズからは想像できないほどの怪力を武器に、2016年12月のデビュー以来、着実にキャリアを築き上げてきました。
元々パワーリフティングの経験を持つルナは、その力強さを活かしたダイナミックなレスリングスタイルが特徴。スープレックスやサンダーボムなどのパワー技を得意とし、フィニッシャーの「Luna Landing」で相手を沈めます。
2020年から2022年までWWE NXT UKで経験を積んだ後、現在はTNA Wrestlingを主戦場に活躍。Jody Threat(ジョディ・スレット)とのタッグチーム「Spitfire」として活動し、TNA女子タッグ王座を2度獲得するなど結果を残しています。
またDPWでは、2025年1月の「DPW Title Fight In Texas」にて高瀬みゆきを破り、DPW女子世界王座を戴冠。その後はヒャンを相手に2度の防衛に成功し、その実力をしっかりと証明しています。さらに彼女の活躍はアメリカ国内にとどまらず、TNAでの継続的な参戦に加えて、2024年10月には新日本プロレスの「ロイヤルクエスト」にも出場。
まだ20代半ばながら、技術とパワーを兼ね備えた「オールラウンダー」として高い評価を得ているダニ・ルナ。プロレスリング・イラストレイテッド誌の2024年女子ランキングでは世界250人中23位にランクインするなど、国際的な評価も高まっています。
DPW 世界タッグ王者:グリズルド・ヤング・ベテランズ(James Drake & Zack Gibson)
"I climbed to the Sun
— James drake (@JamesDrakePro) January 30, 2025
And fell in a concrete jungle".
Grizzled. Young. Veterans. pic.twitter.com/CYbybM3f5S
グリズルド・ヤング・ベテランズは、ジェームズ・ドレイク(身長約180cm、体重約82kg)とザック・ギブソン(身長約183cm、体重約93kg)の2人によって2017年に結成されたタッグチームです。スローガンとして『Grity your teeth』を掲げており、困難な状況を『歯を食いしばって乗り越えろ』の意味があります。 両者はイギリスのインディーシーンで活躍し、才能を発揮してきました。
2019年1月にWWEのNXT UKで開催されたタッグ王座決定トーナメントで優勝し、NXT UKタッグ王座の初代王者に輝きました。その後、NXT本体では「The Dyad(ザ・ダイアド)」のリングネームで活動を継続。ザック・ギブソンはリップ・ファウラー、ジェームズ・ドレイクはジャガー・リードとしてユニット「スキズム」に所属し、異なるキャラクターでの活躍を見せました。
退団後は、2024年4月に自身のプロレス団体「Burning Heart Pro Wrestling」を設立し、新たな興行活動を開始。さらに、2024年8月のAEW All Inに登場し、アメリカのメジャープロモーションでも存在感を発揮。その後、2025年3月にDeadlock Pro Wrestlingのタッグ王座を獲得するなど、世界各地の団体で成功を収めています。なお、来日4月18日のDPWの大会では、シン・シティ・ストリートファイトとしてDPW世界タッグ王座をかけて来日予定のバイオレンス・イズ・フォーエバーと防衛戦が組まれています。
なお、団体のシングル王座 DPW世界王座は前王者ジェイク・サムシング負傷返上により現在空位となっています。
タイトルホルダー以外の来日選手
アダム・プリースト(Adam Priest)
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4th DPW National Champion@Adam_Priest_ pic.twitter.com/qr3w8mVnzM
1996年3月1日生まれのアメリカ・アラバマ州出身のプロレスラー、アダム・プリーストは、テクニカルな試合運びを得意とする実力派レスラーです。2017年にプロデビューを果たし、現在29歳。ニックネームは「あらゆるスタイル」を意味する“Any Style”。現在はフリーランスとして、全米のインディー団体を中心に活躍を続けています。
そのスタイルは、精密なテクニックとハードヒットを融合させた“技術と強度”の両立が持ち味。どんな対戦相手とも高水準な試合を成立させられる器用さと実力を兼ね備えており、インディー界での存在感を年々高めています。
これまでWWEやAEWといったメジャー団体にもスポット参戦。2019年4月にはNXTに登場し、ウォー・レイダーズと対戦。続く2020年10月にはAEW Darkでアラン・エンジェルスと対戦し、同団体でのデビューも果たしました。その後もAEWには断続的に出場し、主にタッグ戦線での経験を積んでいます。
主戦場となっているのは、アメリカ南部のインディー団体。中でもアラバマ州を拠点とするNew South Pro Wrestlingでは看板選手として活動しており、ジョージア、フロリダ、テネシー各州の大会にも定期参戦しています。
タイトル歴も豊富で、DEADLOCK Pro-Wrestling(DPW)では2024年にナショナル王座を獲得。約1年間にわたり王座を保持しましたが、2024年12月のDPW 3周年記念大会でラブロン・コゾンに敗れ、王座から陥落しました。
また、2021年にはNew South HOSSトーナメントを制し、同年にはシングルとタッグの両部門で王座を戴冠。2022年にはACTION Wrestling王座も獲得しています。こうした実績が評価され、プロレスリング・イラストレイテッド(PWI)の2024年版「PWI 500」では124位にランクインしました。
バイオレンス・イズ・フォーエバー(Violence Is Forever)
#ANDNEW 👑
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DPW Tag Festival 2024 Winners
Violence Is Forever@kevinxku & @dgarrinibc pic.twitter.com/rfF0d3jUE2
アメリカのインディーシーンで圧倒的な存在感を放つタッグチーム「バイオレンス・イズ・フォーエバー(Violence Is Forever)」は、ケビン・クー(Kevin Ku)とドミニク・ギャリーニ(Dominic Garrini)の2人によって構成されています。2018年にデビューした後、実力派タッグとして急速に頭角を現し、インディー団体のタッグ戦線を席巻してきました。
ブラジリアン柔術で茶帯を持つギャリーニは、サブミッションを駆使するテクニシャン。対するクーは、風貌とハードヒットな打撃もつファイタータイプ。スタイルは対照的ながら、精密なレスリングと重厚な打撃を融合させたタッグワークを武器に、どんな相手にも“バチバチ”な試合を展開します。
タッグとしての初陣は2018年8月、BLP「National Slampoon’s Wrestling Vacation」。その後2019年4月にチーム名を「バイオレンス・イズ・フォーエバー(Violence Is Forever)」に改名し、SUPやIWTV、BLPなど各団体でタイトルを獲得。2019年6月にはSUPタッグ王座を初戴冠し、以後その名をインディー界に轟かせていきます。
GCWでは2023年11月にロス・マシゾス(シクロペ&ミエド・エスクレモ)を破ってタッグ王座を初戴冠。さらに2025年3月30日、GCW「No Compadre」にて同王座を再獲得し、2度目の戴冠を果たしました。またDPWでは、ワールズタッグ王座を通算2度獲得するなど、継続的にトップチームとして活躍しています。
フィニッシャーの「チェイシング・ザ・ドラゴン(Chasing the Dragon)」は、カイル・オライリーとボビーフィッシュのreDragonが使っていた技と同型。ギャリーニの垂直落下式ブレンバスターとクーの後頭部へのキックが連携する必殺のコンビネーション。なお、役割が逆になるバージョンもあります。
🔥CHASING THE DRAGON🐉 #GCWWorst #GCW pic.twitter.com/B2Y2bFP2Hw
— PWアーティクルス|GCWニュースサイト (@D5ZnyfQaq256591) July 6, 2024
Chasing the Dragon🐉#GCW #GCWGateway #GCWJAPAN pic.twitter.com/2R76gzFNHM
— PWアーティクルス|GCWニュースサイト (@D5ZnyfQaq256591) November 16, 2024
カルビン・タンクマン(Calvin Tankman)
Calvin Tankman has broken 100 days as DPW World Champion! Tankman has 4 successful defenses (3rd) in 3 different states (1st) with his 5th defense scheduled for April 14th in Durham against DPW World Tag Team Champion, Speedball Mike Bailey.
— DEADLOCK Pro Wrestling (@deadlockpro) March 24, 2024
Tankman has made it clear his goal is… pic.twitter.com/OlVZvA9oTG
1994年12月22日生まれのアメリカ・インディアナ州ニューキャッスル出身のプロレスラー、カルビン・タンクマン(本名:クリストファー・ヘイワード3世)は、身長188cm・体重161kgの巨体を誇る“ハイブリッド・パワーハウス”。「Heavyweight Hustle」「Indestructible」の異名を持ち、2016年のプロデビュー以来、北米インディーシーンを中心に圧倒的な存在感を放っています。
ディビジョン1レベルのアメリカンフットボール経験をベースに、タンクマンはパワー、打撃、空中技、サブミッションを自在に使いこなす多彩なレスリングスタイルを確立。その重量級らしからぬスピードと機動力で“動ける巨漢”として知られています。
2020年にはGCWに初参戦。続く同年10月にはJosh Barnett’s Bloodsportに出場し、アレキサンダー・ジェームスをノックアウトで破るなどインパクトを残しました。同年にはMLWと複数年契約を締結し、2021年3月には当時の王者ジェイコブ・ファトゥにMLW世界ヘビー級王座へ挑戦。2022年にはE・J・ンドカと組んでMLW世界タッグ王座を戴冠し、約11ヶ月間にわたって保持しました。
現在の主戦場はDEADLOCK Pro-Wrestling(DPW)。2022年7月に初代DPWナショナルチャンピオンとなったのち、2023年12月の「DPW 2nd Anniversary」でコルビー・コリノを破って世界王座を獲得。2024年10月の「DPW Super Battle」でジェイク・サムシングに敗れるまで、約10か月間王者として君臨しました。
5月3日にはプロレスリングZERO1での初登場が決定しています。
「DPW JAPAN 2025」 日本公演情報
現時点で発表されているカードは以下の通りです。新しいカードは随時SNSで追加されています。
発表済カード(2025年4月12日時点)
4月24日(木) 新宿FACE「DPW JAPAN 2025 – SPIRIT RISING DAY 1」

- 【タッグマッチ】阿部史典 & 野村卓矢 vs. バイオレンス・イズ・フォーエバー(ケビン・クー & ドミニク・ガリーニ)
- 【タッグマッチ】クリス・ブルックス&HARASIMA vs. カルビン・タンクマン&ラブロン・コゾン
- 【シングルマッチ】アダム・プリースト vs. 入江茂弘
- 【DPW女子世界選手権試合】(王者)ダニ・ルナ vs. 辰巳リカ(挑戦者)
4月25日(金) 新木場1st RING「DPW JAPAN 2025 – SPIRIT RISING DAY 2」

- 【シングルマッチ】アダム・プリースト vs. 阿部史典
- 【シングルマッチ】ラブロン・コゾン vs. 野村卓矢
- 【タッグマッチ】カルビン・タンクマン&須見和馬 vs. 樋口和貞&石田有輝
- 【DPW女子世界選手権試合】(王者)ダニ・ルナ vs. 山下りな(挑戦者)
また、現在負傷欠場中の前DPW世界王者のジェイク・サムシングがスペシャルゲストとして来日し、ファンミーティング&グリート参加するとのこと。
🚨 DPW SR UPDATE 🚨
— DEADLOCK Pro Wrestling (@deadlockpro) April 10, 2025
Former DPW World Champion, World Tag Team Champion, & Carolina Classic winner, JAKE SOMETHING, will be a special guest in Tokyo, Japan!
DPW Spirit Rising (Night 1 & 2)
🗓️ 04/24 | 新宿FACE 🇯🇵
🗓️ 04/25 | 新木場1stRING 🇯🇵
🎟 https://t.co/pEYBRaa07l pic.twitter.com/LAeUR0kZiw
DPW JAPAN 2025のチケットは現在発売中!新宿FACE・新木場1stリング、両公演の購入は下記リンクから。
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