GCW(Game Changer Wrestling)は、現地時間2025年4月17日〜19日に「GCW The Collective Las Vegas 2025」を、ラスベガスのパームス・カジノリゾートで開催します。その中でも最大の注目を集めているのが、4月18日(土)に行われる『ジョーイ・ジャネラ・スプリングブレイク9』です。
『ジョーイ・ジャネラ・スプリングブレイク』は、レッスルマニア・ウィークエンドに合わせて毎年開催されているGCWの看板イベントで、ジョーイ・ジャネラが自らプロデュースを手がけています。2017年の初開催以来、インディーシーンの実力派や復帰を果たしたレジェンドレスラーたちが多数登場してきました。
このイベントは、GCWが展開するシリーズ「The Collective」の中核に位置づけられており、これまでに8回開催されています。2023年には、新日本プロレスを離脱した飯伏幸太選手が参戦するなど、毎年話題性に富んだ対戦カードが組まれています。
今回は既に発表されている『ジョーイ・ジャネラ・スプリングブレイク9』の対戦カードを振り返っていきます。
『ジョーイ・ジャネラ・スプリングブレイク9』見どころ
サブゥー引退試合:ジョーイ・ジャネラ vs. サブゥー

今大会の最大の注目カードは、サブゥーの引退試合です。1964年生まれのサブゥーは2025年時点で現在60歳。1990年代のECW(Extreme Championship Wrestling)を象徴するハードコアレスラーとして、イスやテーブルを駆使したハードコア殺法と自殺ダイブで名を馳せました。新日本プロレスやFMWなど日本にもたびたび参戦、世界的に高い評価を受けてきました。
今回の引退試合は2025年1月に行われたGCW『The People vs. GCW』でのジャネラのアクションから始まりました。このイベントでジャネラが田中将斗との試合に勝利した後、照明が落とされる中でサブゥーのキャリアを振り返る映像が流れ、本人が登場。その場でジョーイ・ジャネラが対戦を提案し、サブゥーは4月の『スプリングブレイク9』で引退試合を行うことを了承しました。
サブゥーは当初、2025年1月の引退を構想していましたが、コンディション面などを理由に延期を希望。最終的に、今回のラスベガス大会での引退試合が決定しました。
シニア・スクランブルマッチ(55歳以上限定バトルロイヤル)

ジャネラが発案した55歳以上のレスラー6名が参戦する特別バトルロイヤルです。出場者は以下のメンバーが発表されています。
- リッキー・モートン(68):「ロックンロール・エクスプレス」のメンバー。
- トミー・リッチ(68):元NWA世界ヘビー級王者。
- ジョージ・サウス(62):NWA・WCWで活躍した職人派。
- ウォーロード(63):WWF「パワー・オブ・ペイン」などで知られるパワーファイター。
- ダグ・ギルバート(56):USWAなどで活躍。故エディ・ギルバートの弟。日本ではW★INGで活躍したフレディ・クルーガーの中身としても知られる。
- マイク・ジャクソン(75):現役最年長レスラー。
いずれもアメリカンプロレスを支えたレジェンドたちが一堂に会し、往年のファンには見逃せない一戦となります。
鈴木みのる vs. マット・トレモント

GCWウルトラバイオレント王者マット・トレモントと、DDTユニバーサル王者・鈴木みのるによる異色の対決です。デスマッチファイターとして知られるマット。トレモントは2025年1月にGCWの2王座を統一し、ウルトラバイオレント王者としてデスマッチ路線で王座防衛を重ねています。
対する鈴木みのるは、3月のDDT「Judgement 2025」で上野勇希からDDTユニバーサル王座を獲得、このスプリングブレイク9の同日にはヨシヒコとの防衛戦も控えています。
敗者GCW追放戦:アティカス・クーガー vs. フエゴ・デル・ソル

3月2日の『Just Being Honest 2025』でのタッグ戦をきっかけに始まった抗争が、GCWからの“追放”を賭けた一騎打ちに発展しました。
アティカスは、かつてGCW内のヒールユニット「44OH!(フォーフォーオー)」の中心メンバーとして活動。ユニットは2019年に結成され、ニック・ゲージ率いるMDKとの抗争などで注目を集めました。2022年に一時GCWを離れていたが、昨年再び団体に登場し、今回は去就をかけた一騎打ちに挑みます。
フエゴ・デル・ソルは、ルチャスタイルを軸としたスピードファイターで、現在はGCWに定期参戦しています。直近では、ドリュー・パーカーの欠場により、代役としてザック・セイバーJr.とのシングルマッチに登場。さらに、サム・スタックハウスとのタッグでも存在感を発揮しており、GCWでの定着を狙う動きが続いています。
今回の一戦は、アティカス・コガーとの「敗者GCW追放マッチ」。どちらがこの団体に“残る”のか、今後のキャリアを左右する分岐点となる緊張感の高いカードです。
44OH!(フォーフォーオー)は、GCW内で2019年から活動していたヒールユニット。2019年にリッキー・シェイン・ペイジ(通称RSP)を中心に結成され、主なメンバーにはアティカス・クーガー、エディ・オンリー、グレゴリー・アイアン、エリック・ライアン、ボビー・ビバリーなどが所属していた。
We are on the front line. #44OH pic.twitter.com/EevHdd3w3i
— 44OH! (@The44OH) August 27, 2021
ザック・セイバーJr. vs. 1コールド・マンダース

ザック・セイバーJr. vs. 1コールド・マンダースは、スタイルの異なる両者による注目カードです。ザックは新日本プロレス所属のいわずとしれた世界を代表するトップテクニカルレスラーで、元IWGP世界王者王者でもあります。今回のGCW参戦は2025年2月のマンス・ワーナー戦以来となります。
マンダースはアメリカ中西部を拠点に活動するパワーファイターで、2025年1月以降はヨーロッパで活躍していました。2025年3月にはドイツ・wXwの「16カラット・ゴールド・トーナメント」に出場し、関本大介、レオン・スレーター、マーシャ・スラモビッチ、アフラを破って優勝を果たしました。GCWには同年1月「The People vs. GCW」以来の登場となります。
JCW世界王座戦:マーシャ・スラモビッチ vs. 鈴季すず

マーシャ・スラモビッチ vs. 鈴季すずは、マーシャ・スラモビッチの保持するJCW世界王座戦として行われます。王者スラモビッチは1年以上にわたって同王座を防衛しており防衛回数は30回を超えています。
挑戦者の鈴季すずは、2002年生まれで2018年にアイスリボンでデビュー。ICE×∞王座を最年少で獲得後、2021年に退団し、プロミネンスを結成。デスマッチ・ハードコア系ユニットとして活動し、2023年にはスターダムの5★STAR GPで優勝。2025年4月には所属していたユニットNEO GENESISを離脱し、今後の動向が注目されています。今大会がGCW初参戦となります。
マンス・ワーナー vs. ゲイブ・キッド(遺恨再戦)

今年2月にニュージャージー州ジャージーシティで開催された「JCW: Jersey J-Cup 2025 Night 2」において、ゲイブ・キッドとマンス・ワーナーは注目の初対戦をおこないました。この試合は約30分にわたる激しい殴り合いの激戦となり、両者場外戦が続いた結果、ノーコンテストに終わりました。
試合後もストリートでの乱闘が続くなど、非常に荒れた展開となりました。前回の決着がつかなかったことから、今回は明確に勝敗を決める一戦として注目されています。
メーガン・ベーン vs. ボジラ

圧倒的なパワーを持つ2人による女子重量級対決、メーガン・ベーン vs. ボジラも注目です。
メーガン・ベーンは、OVW女子王座を経てスターダムにも参戦し、2023年には舞華とのタッグ「ディバイン・キングダム」で「ゴッデス・オブ・スターダム・タッグリーグ」を制覇。その後、日本マットからは離れ、GCWを中心にインディー団体で活躍。GCWではジョーイ・ジャネラとのタッグ「ジャネラサス」で活躍。その後2025年1月にAEWと正式契約を締結。現在はAEWを主戦場に活動しています。
一方のボジラは、ドイツ出身で、現在は日本の「マリーゴールド」を拠点に活躍。マリーゴールド旗揚げ戦から参戦し、規格外の体格で日本でも注目を集めました。2025年3月には、林下詩美の保持する団体最高峰のタイトル マリーゴールド・ワールド王座に挑戦するも敗戦。規格外の体格とパワーで注目を集めており、今大会がアメリカ初登場となります。
ロス・デスペラーズ vs. ワグナーファミリー(6人タッグ戦)

ルチャリブレの伝統と進化が交差する6人タッグマッチが実現します。ロス・デスペラードス(アレズ、グリンゴ・ロコ、ジャック・カートウィール)は、空中戦とスピードに優れたルチャユニットで、個々の技巧と連携に定評があります。
対するのは、メキシコを代表する名門ルチャファミリー、ワグナー一家です。父ドクトル・ワグナーJr.はCMLLやAAAなどで長年にわたりトップを張ってきたレジェンドで、今回は息子のエル・イホ・デル・ドクトル・ワグナーJr.、そして現在日本のノアマットでALL REBELLIONの一員として活躍する弟のガレノ・デル・マルとともにトリオを結成します。
この試合は日本時間4月19日(土)11:00からTRILLER.tvで放送されます。
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